2019年の春が近づいてきた頃、私は渋谷を歩いていた。
とあるデニムのSサイズがいいのか、XSサイズにすべきか決めかねた末に渋谷の「YEANAY」へ向かっているところだ。そして、その甲斐があって素晴らしいデニムに出会えた。
このFIRMUM(フィルマム)のデニム「FR-FR053DM」を初めて見たときは思わず変な声がでそうになったほど欲しがっていた特徴が散りばめられていた。これを求めていたのだと気付かされたのを覚えている。
ありそうでないデニム。
そのデザインはヒップや腰回りがワイド、膝下にかけてテーパードしているワイドテーパードデニムとなっている。このシルエットはジブリの世界にでてくるズボンを思い出させてくれて、見るたびにワクワクしてしまう。
使用されている綿はピマ種(南米ペルー原産)を米国で品種改良した滑らかで光沢のある質感が特徴のスーピマコットンを採用、このセルヴィッチデニム生地により「ほっこり」してしまうジブリ感あるデザインながらシャリっとした雰囲気を醸し出している。
この絶妙なバランスのおかげで、ビッグシルエット・オーバーサイズのトップスも良い感じになってしまう。ジャストサイズの服を着ても様になるから有難い。
しかし、それに合う靴が見つからなかった。
最初は上に着る服の問題かと思い、パーカーやTシャツ、ライダース、コート系、開襟シャツと色々と試すが「なんか違う」。次にドクターマーチンなどの革靴や定番スニーカーを試すも「しっくりこない」。そうして、なんと2020年10月まで外出時に2回しか着ることはなかった。
そうなると、さすがに「このデニムは難しい」という結論になってしまう。
それが!それが前回のオニツカタイガーのレザースニーカーを履いてみたところ、全てのピースが合わさったかのように様々な服が上品に見えるようになった。靴の影響力は凄い。
実は「FR-FR053DM」以外にも結構な値段を出したのに着ることなく眠らせていた洋服があった。もちろん、それらも蘇り当時イメージしていた姿を見せてくれた。
こんなこともあるのかと感心したのと同時に、それ以前に諦めてサヨナラをした服たちへの罪悪感も押し寄せてくる。こればかりは仕方のないことだが、前に進み続けるしかないのだろう。
お気に入りポイント。
「FR-FR053DM」の気に入っているところは、(繰り返しになってしまうが)ワイドテーパードの「膨らみ具合と締まり具合」だ。この割合が変わると同じワイドテーパードでも「ちょいワル兄さん」や「ガテン系」になったり、もう少し膨らみが大きければ女性寄りのデザインになっていたと思うので、、このシルエットだけでも十分に素晴らしいと思う。
次も繰り返しになってしまうが、生地感を避けて紹介することはできない。
このセルヴィッチデニム生地でなければ購入しなかっただろう。このデザインでゴールドラッシュ時代の生地感だったり、スウェットっぽいのも困る。もう考えただけでトップスの中心あたりが苦しくなる。
続いては背面のポケット、この大きさや位置も正解だと偉そうに言わせてもらいたい。よくあるジーンズのポケットだったら目を閉じて首を横にふるしかないのだ。
最後に前面のボタン、これもデザインとしては文句のつけようがない。しかし、実際に履いていると稀にボタンが外れることがあった。硬めの生地になっているため、もしかするとキチンと穴を通せていなかったのかもしれない。かといってファスナーになってしまうと生活感がでてジブリの幻想を楽しめない。
他には丈の長さがよかった。足の長さに合わせて詰めることなく履くことができた珍しいパンツでもある。
履き心地のこと。
最後に履き心地、ワイドテーパードなので太ももが開放されてリラックスできて快適だ。コットン100%で肌にも優しい。
冬本番で寒くなってきたらタイツを履くと良いだろう。重ねタイツができるくらい余裕はある。ちなみにタイツはユニクロもよかったが、最終的にモンベルで落ち着いている。
なお、「FR-FR053DM」はユニセックスなので男女問わず履けるデニムとなっている。洗濯時の縮率は 1%~2%で、水洗い及びタンブラー乾燥の場合、ウエストで約1cm、股下で約1cm縮むとのこと。
2020年バージョンが楽天で販売されていて、モデルさんがコーデを披露していた。サイズや価格の詳細は下記リンクより確認してほしい。
リンク:FK-FR053DM(楽天市場)